頭頸部の動きの自由度と身体性

こんにちは、こんばんは、おはようございます。
理学療法士、ボディワーカー、Bodywork Salon Compassesのダイスケです。
今回は頭頸部の動きの特徴と、生物学的な動きとしての自由度の重要性について記事にしていきます。



 

運動学としての頭頸部の動き

 

頭頸部の動きをまず運動学的に理解をしていきましょう。

頭頸部の動きには以下の動きがあります。

①屈曲・伸展という前後の動き(運動学用語では矢状面での動き)

②側屈という左右の動き(運動学用語では前額面での動き)

③回旋という捻りの動き(運動学用語では水平面での動き)

これらの③つの方向性の動きがあります。

 

そして、頸部という脊柱の部分は前弯位を呈しているという特徴があります。

左側から見た図

では次に①屈伸、②側屈、③回旋という動きの連動性について見ていきましょう。



 

頭頸部の動きの連動性

 

頭頸部の動きは次のようにそれぞれの動きが同時に起こり、単一での動きは起こっていません。この頭頸部の動きは上位と下位の動きで異なります。

ここでは①上位頸部をC0(頭蓋骨)〜C2(第2頸椎)

②中位頸部をC2(第2頸椎)〜C5(第5頸椎)

③下位頸部をC5(第5頸椎)〜Th4(第4胸椎)

と部分的に分けて動きを理解していきます。

例として挙げていきます。

①上位頸部

右への側屈ー左への回旋ー左側の屈曲。つまり側屈とは反対側へ回旋、反対側が屈曲。

②中位頸部〜下位頸部

右への側屈ー右への回旋ー右の屈曲。つまり側屈と同側に回旋、屈曲。

このように頸部は側屈方向へ回旋と屈曲が起こるという動きがセットで起こります。

これは頸部の関節面の形状によるものです。

 

では、これらの頭頸部の動きの連動が阻害されてしまうと身体性としてはどのようになってしまうのでしょうか。



 

頭頸部の動きと身体性

 

身体性として頭頸部を捉えた時、頭頸部の役割としては周囲の状態を把握するためのオリエンテーションという機能にあるといえます。

そして、頭頸部の役割としてもう一つ重要なのが捕食機能との関係です。

 

周囲の情報把握を担っているため、頭頸部が自由に動かせる状態にあることは必要な要素であるといえます。

ここで重要なのが自由に動かすという随意的な要素を含みつつも、自由に動かすことができる状態にあるという身体性の部分も含むということになります。

 

捕食機能との関わりとしては特に下顎との開閉動作と頭頸部の動きの関係です。

食べ物を口に運び口を開ける時には上位頸部は伸展します。

そして咀嚼動作の際には上位頸部は屈伸運動を繰り返します。(噛み込みの際には屈曲、歯と歯が離れた際には伸展)

咀嚼運動後の舌による送り込み動作の際には上位頸部は屈曲運動を行います。

 

このように微細ではありますが、頸部の動きは食塊を口に入れる動作、咀嚼、嚥下動作とも関係性が深いのです。

もちろん舌機能も頸部の動きと関係しています。

舌の突出・下制の動きは頭頸部は伸展し、舌の後退・挙上の動きは頭頸部は屈曲します。

 

生物学的に言えば、食物を食べる際に、周囲に危険がないかどうか頭頸部の動きでオリエンテーションを行い、そして摂食の際にも頭頸部の動きが関わっているということになります。



 

頭頸部の動きがバランスを失うと

例えば周囲に危険が迫っている時、噛み込み動作を行い、頸部を固め・縮めるという防衛反応が出現します。

 

これは下顎を持っている生物は下顎を失ってしまうと自分の摂食行動をとることができなくなってしまうためです。摂食ができないということは死と同様であり、命の危機に瀕してしまいます。

 

つまり、身体が脅威を感じている状態であれば、噛み込み動作から解放されず、持続的に噛み込み行為を行なっていることになるため、頭頸部の動きもバランスを失い、必要なオリエンテーションをとることができなくなってしまいます。

 

頸部といっても下位頸部は上位胸椎を含みますので、肩甲骨や鎖骨との関連性も深く、単に頸部として分けて考えることはできません。

 

身体性としては「動かせる」ために、「動かせるために適した状態にある」という状態を目指してその状態を読み解き、アプローチしていく必要があります。

 

次回はさらに身体について記事を書いていきますね。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。



 

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    この記事を書いた人

    Daisuke Nobuchika

    ・Bodywork Salon Compasses代表
    ・Somatic Neutrality🄬考案者(現在商標登録申請中)
    ・理学療法士
    ・Somatic Experiencing™ Practitioner(SEP)
    ・Yoga Teacher(Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了)
    ・Somatic Resilience and Regulation🄬修了
    ・ファンクショナルローラーピラティス🄬アドバンスインストラクター
    ・予防運動アドバイザー
    ・歩行アドバイザー
    ・側弯トレーナー
    ・DE GASQUET🄬INSTITUT基礎講座、ぺリネのABC受講修了
    広島県福山市出身。小学校から社会人にかけてバスケットボールを続けてきました。高校生の時に人の役に立つ仕事に就きたいという思いと部活動のトレーナーが理学療法士であることもあり、理学療法士を志す。2011年、理学療法士免許習得。総合病院、整形外科病院在籍中にピラティス、ヨガに出会う。2017年ファンクショナル ローラー ピラティス アドバンスインストラクター取得。2022年SEP取得。同年SRR修了。2023年Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了。現在、理学療法士とサロンでのセラピストとして活躍中。 また、臨床中に患者様と関わる中で「病気になる前の予防の重要性」を感じ、『病気に囚われない予防の実現』を人生のテーマに日々邁進している。

     



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