みなさん、こんにちは。理学療法士、ボディワーカーのDaisukeです。
今回はDibs®︎運動連鎖∞整体における筋緊張の捉え方として、身体内部のみならず、周囲の環境も含めた捉え方についてお伝えしていきます。

筋緊張とは

まずは、筋緊張とは何かについてです。筋緊張とは前回の記事でもお伝えしましたが、筋肉の状態を調整するための機能です。ここではもう一度簡単におさらいをしてみたいと思います。上の図において、左が体の末梢における感覚器官や神経系により調整されている臓器群です。末梢からの感覚ニューロンは脊髄や脳といった感覚情報を処理する部分へ情報を伝達します。そしてこの情報を元に現在の状態に適した状態に神経系から指令が出され、再び末梢の器官へとその指令が神経によって伝達されます。この状態の変容に対して再び感覚情報が入力され、フィードバック機構として調整がループされていきます。この様に常に組織の状態の調整と感覚フィードバックがなされており、筋緊張もその環境や状態に対して常に変化し続けているということになります。
ポイントは下記の3つです。
・末梢からの感覚入力
・中枢での情報処理
・効果器としての組織への指令
これらの3つの伝達路は常にループし続けています。
これは身体内部で生じていることです。
実際には感覚器と言っても、皮膚感覚などの表在感覚、視覚や聴覚などの特殊感覚、内臓感覚があります。これらの感覚全てを統合し、指令が出されているのです。
つまり、感覚器の状態の把握に伴って、どのような環境に対しての反応が生じているのか。感覚器と環境や状況との関係性はどうなのかといった視点も必要になっていきます。
もちろん内部の状態が変われば、神経系の働きも変化してきますので、「感じ方」にも変化が生じていきます。結果として、環境や状況との関わり方自体も変化していくこともあります。
今回はこの身体内部のみでなく、状況・環境といった部分との関係性についてお伝えしていきます。
筋肉の状態と筋緊張

では次に、筋肉の状態と筋緊張について環境や状態も含めて考えていきましょう。
生きていく上で常に色々な環境にさらされています。そしてこの環境に対して適応をしています。(外気温が寒ければ筋肉を少し緊張させて熱を産生するなど。)そしてこの環境への適応は学習がなされ、より無意識的に、素早く適応行動に移すことができるようになります。これはエネルギーの消費を抑え、効率化するという視点においても効果的です。しかし、この学習は環境といっても周囲の危険や安心できない環境下での防御機構なども含めて全て学習される可能性があります。学習されると適応反応が早いが故に、認識することが難しくなっていきます。そして、外部環境に対しての反応(適応反応)によって内部の状態は調整されます。この内部の状態の保持や内部の環境自体の調整にも関わっているのがニューロセプションです。上位の中枢までに登らない身体が感じている感覚であり、この感覚に対して適応反応を常に示しています。
Dibs®︎運動連鎖∞整体ではこのように内部での反応や生じていることに加えて、どの環境に対して、どの様な神経系のパターンが生じているのかという視点を持ちながらアプローチしていくことが重要になっていますし、コンセプトの核になってきます。
筋緊張の構成要素①

脳の扁桃体は「検知器」としての役割をはたします。扁桃体は側頭葉にあるアーモンド大の器官です。この昨日は外部からのストレスや危険を察知(感知)し、自律神経系やホルモン系の機能を介して身体の状態を調整します。これにより、身体は防衛的な反応の方向へ向かいます。以前もご紹介した、「逃走・闘争」の反応です。この反応では交感神経系の反応が急性にもしくは慢性に生じます。交感神経系の反応性が高ければ背側迷走神経複合体が急ブレーキをかけますので、身体は「シャットダウン:凍りつき」の方向へ向かいます。
これはパターンとして身体に馴染み、食事や睡眠といった、日常生活の中での習慣にも影響をしています。
筋緊張の視点でこれらをみてみれば、身体の反応として出現(筋緊張の調整機能)している事象もこの扁桃体の反応によって引き起こされていると言えるでしょう。下の図のように急性の反応はSAM系、慢性の反応はHPA系が働きます。

この様に筋緊張を一つとってもその反応の起因が扁桃体まで及びます。これはS-O-Rの反応サイクルのOとRにあたりますね。
Dibs®︎運動連鎖∞整体では、パルペーションによってこれらの反応性をみていきます。その反応性は内部環境やパターンの影響にも起因していますが、外部からのどんな刺激に対して生じているのか、という部分がポイントになります。これらのことなしには、運動の再学習やパターンを再構成していくことはできません。
また、これらにはニューロセプションも関わります。認知にまで至らない身体が感じている感覚、判断、選択です。
タッチをセッションの中で使用していく時にはこれらのことも念頭に置いておく必要が十分にあるでしょう。
筋緊張の構成要素②

次に筋緊張の構成要素としての「運動の調整」についてです。私たちは、目的動作のために身体を動かし調整しています。その目的動作は日常生活動作や身の回り動作といってもいいでしょう。
目的動作のために、身体をコントロールするわけなのですが、もちろん前項でもお伝えしたニューロセプションの部分や扁桃体による検知の部分も関わってきます。
現在の「状態」と「行動・遂行」を同時に考えていかなければなりません。単に行動面や運動面、遂行面のみをみるのではなく、「状態」にも焦点をあてます。それは状態が適切に調整されれば、最小限の努力で行動・遂行をしていくことができるからです。
アセスメントの中で、姿勢や動作をみていくと思いますが、その中で、その姿勢や動作の調整機構自体と、身体の状態という2つの部分にフォーカスを当てていきます。
そして、この2つの要素は相互に関係を保ちながら目的動作を遂行していきます。ここでもS-O-Rの考え方が役に立ちます。どの部分の調整機構の再構成が必要なのか、それは身体のどの部位であり、その部位の反応性が他の身体各部にどの様な影響を与えているか。このアセスメントをしながら、臨床推論を立てていくことが重要になります。
筋緊張のアセスメント

最後に筋緊張のアセスメントについてです。上図に記載しているようにポイントは3つになります。
・自律神経系としての反応
・運動時の円滑性
・環境に対する身体の適応
自律神経系としての反応では腹側迷走神経系複合体、背側迷走神経系複合体、交換系系の3つの自律神経系のバランスです。ここにはニューロセプションや扁桃体の検知・反応性も影響しています。S-O-Rの特にOの部分で何が生じているのかをアセスメントするということです。
運動時の円滑性は姿勢や運動の際の円滑性がどの様な状態か、その円滑性は身体の状態とどの様な関係性を持った状態で行われているのかどうかです。努力しすぎているのか、そうでもないのか。意識的なのか無意識的なのかも関わります。
環境に対する身体の適応については、クライアントの方がどの感覚器官の情報にフォーカスを当てているか。その感覚はどの様な感覚で、クライアント自身がその感覚をどのように感じているかです。
これらの3つのアセスメントの要素はそれぞれがバラバラではなく、関係性をもち、結果として統合されパターンの選択肢の1つとなります。
生理学的なホメオスタシスという機能が身体には備わっているため、新たな機能再構築には時間を要します。新しいことをするにはエネルギーを費やしますし、できるだけ省エネでできるように身体自体ができているためです。
このパターンのサイクルを発見し、どの様に進んでいくかを検討していくことも、重要になりますし、アプローチとしての明確性が生まれてくるでしょう。
本日も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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Daisuke Nobuchika
・Bodywork Salon Compasses代表
・Somatic Neutrality®考案者
・Dibs®︎考案者
・Innate Pilates®︎考案者
・理学療法士
・Somatic Experiencing™ Practitioner(SEP)
・DARe Practitioner
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス Eye of the needle(Ⅰ&Ⅱ)修了
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス 慢性疼痛と症候群 修了
・Sequencing Workshop 修了
・Yoga Teacher(Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了)
・Somatic Resilience and Regulation®修了
・DE GASQUET®INSTITUT基礎講座、ぺリネのABC受講修了
広島県福山市出身。小学校から社会人にかけてバスケットボールに積極的に取り組み、全国大会やAll Japanに出場。高校生の時に人の役に立つ仕事に就きたいという思いと部活動のトレーナーが理学療法士であることもあり、理学療法士を志す。2011年、理学療法士免許習得。総合病院、整形外科病院在籍中にピラティス、ヨガに出会う。2017年ファンクショナル ローラー ピラティス マスタートレーナーコース修了。2022年SEP取得。同年SRR修了。2023年Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了。現在、理学療法士とサロンでのセラピストとして活躍中。 また、臨床中に患者様と関わる中で「病気になる前の予防の重要性」を感じ、『病気に囚われない予防の実現』を人生のテーマに日々邁進している。
Bodywork Salon Compassesとは
こころとからだの指針を紡ぐBodywork Salon Compassesではヨーガとピラティスなど心身のアクセスを通じた心身コンディショニング・姿勢の改善、タッチセラピー(マッサージ、整体)による痛みのケア(関節痛、首痛、頸部痛、首コリ、肩凝り、背部痛、腰痛、股関節痛、膝痛、足痛や足部の変形:外反母趾など)、循環改善・むくみケア、姿勢と歩きの改善を行っています。ホームページではセッションの内容や料金について詳細がわかりますので、「ホームページはこちら」をクリックしてのぞいていみてください。
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