みなさんこんにちは。理学療法士、ボディワーカーのDaisukeです。
今回は筋肉の状態と筋収縮について、Dibs®︎運動連鎖∞整体の視点から紐解いていきます。
それでは内容に入りましょう。

目次(Contents)
筋出力の構成要素

まずは、筋出力の構成要素についてです。筋肉には、「静止張力」と「活動張力」があり、これらの合計が「全張力」と言います。このことのみ考えてみても、筋肉の状態が「筋出力」の状態にも大きく影響することが考えられます。ここでは「筋緊張」については詳細は割愛するのですが、少しだけ筋緊張と「筋肉の状態」の関係性をお伝えすると、筋緊張によって筋肉は働くための準備状態や現状を保つためのフィードバック機構を構成しているのですが、過剰な筋収縮の状態や不十分な筋収縮の状態、もしくは過剰に引き伸ばされてしまった状態であったり、過剰に縮んでしまっている状態では上記のグラフのような筋出力の曲線は成されません。グラフでは筋緊張の要素ではなく、「筋肉の張力」:弾性による力の発揮についてのものです。そのため、実際には上図のような筋肉の状態に依存する力である「筋張力」と神経系と感覚器官から構成される「筋緊張」が相互に関係し合いながら実際の「筋出力」を構成しています。
そして、筋肉の状態にはアライメントが存在します。筋肉は関節を跨ぐように付着し、関節を動かす機能や関節を安定させる機能があります。ということは、関節の動きによっては筋肉は捻れたり、全体的に引き伸ばされることもあれば、局所的にストレスが加わることもありますし、逆に筋肉の状態によって(過剰な収縮や硬結、不十分な緊張状態、弛緩など)は関節の動きが不安定になってしまったり、動きの軌道が円滑ではなくイレギュラーな状態になってしまいます。
この様に関節と筋肉の状態は相互に関係しないながら関節の動きを構成していますし、関節の構成要素と筋出力の構成要素も関係性が深いのです。
筋肉の構成部位

前項では筋張力についてお伝えしました。そしてその中で筋肉のアライメントについてもお伝えをしました。
ここでは筋肉の構成要素を見ていきましょう。この筋肉の構成要素を理解することで、筋肉のアライメントをアセスメントしていく時にも筋肉のどの部分のアライメントが偏位しているのかどうか、どの部分の緊張のアセスメントをしているのか、どの部分の調整が必要なのかをアセスメントしていくことができるようになります。
上の図では筋組織を筋肉-筋束-筋線維-筋原線維と筋組織をアクチンとミオシンという筋肉の収縮時に滑走する組織まで詳細に分類しています。
そして、各々の線維は膜に覆われています。1つ1つ小分けに袋に入っているようなイメージです。この袋の状態によっても筋肉が収縮しやすい環境か否かというという部分に関わってきますし、実際の臨床では目視はできないものの、この筋膜の状態や筋組織の状態をイメージしながら、ハンドリングにてアセスメントや理学的所見による再現性をもとにアセスメントをしていきます。この様に筋肉の状態と言っても、どのまとまりの中でのことを指しているのかどうかを常に考慮しながら筋肉の滑走の状態、筋肉の緊張の状態、反応、関節の運動、協調性といった要素を捉えていく必要があるのです。
筋緊張(筋tone)

次に筋緊張(筋tone)についてです。筋緊張とは筋肉の張りの状態ともいうことができます。この筋緊張は神経機構によって常に調整されています。キーワードは筋紡錘と腱紡錘です。
筋紡錘はγ運動線維に支配されます。筋内にある長さが6~8mmの固有受容器です。筋の長さを検出する機能を持ちます。筋紡錘の中央は非収縮性で、受容器を含み、両端には収縮性線維の錘内筋線維があり、これで錘外筋線維に結合します。錘内筋線維は、太い核袋線維と細い核鎖線維とに分けらます。太い核袋線維には動的なものと静的なものがあります。
動的核袋線維の興奮は、動的γ線維の興奮で起こり、運動中に1次終末(らせん型終末)の長さ変化への感度を高めるが、2次終末への影響はあまりありません。静的核袋線維は、静的γ線維の支配を受け、一定長にある筋の1次終末、Ia群の発射間隔を制御します。Ⅱ群線維の発射頻度にも影響します。核鎖線維も静的γ線維の支配を受け、主に2次終末(散型終末)の感度を調整します。
腱紡錘からの線維はⅠb群です。腱紡錘は長さ約1mm、直径0.2mの紡錘形で、筋線維の終末近くの腱にあり、腱に加わる張力によって圧縮され、活性化されます。Ⅰb線維の発射間隔は、腱に加わる張力に比例する。
この様に筋肉の長さと腱に加わる張力を常に検知し、筋肉の状態を調整しているのです。この筋緊張は神経機構によって調整されています。
そして、運動神経として知られているα運動ニューロンは、末梢からの求心性入力および上位中枢からの入力を受けてます。上位中枢からの入力の一部は、γ運動ニューロン-筋紡錘-求心性神経の回路を介して、α運動ニューロンに作用します。この回路をガンマ環(γ-loop)といいます。筋紡錘は、γ運動ニューロンの活動によって、感受性が制御されています。(ガンマ・バイアス:γ-bias)。筋長が一定のとき、γ運動ニューロンが興奮すると、錘内筋線維は収縮して、Ⅰa群からα運動ニューロンへの入力が増加します。α運動ニューロンも興奮して筋収縮が起こり、筋紡錘の緊張は緩み、Ⅰa群からの入力は減少します。筋長は、短くなった位置にとどまります。随意運動では、筋短縮によって筋紡錘が弛緩しないように、上位中枢からの運動指令がα運動ニューロンおよびγ運動ニューロンを同時に興奮させています。(アルファ-ガンマ連関)
この様に末梢からの情報と上位中枢からの調整を同時に受けているということになります。ですので、この中枢と末梢からの影響を受けているということは、末梢からの感覚の状態(S-O-RのSの情報を受容する部分)と中枢からの反応(S-O-RのRの部分)の両者に対して視点を向けながらアセスメントとアプローチをしていく必要があります。R自体は学習がされている部分も多く含まれているため、その部分のアセスメントも非常に重要です。
そしてこれらの筋緊張を構成する要素は、筋肉の状態(筋肉〜筋原線維まで、そして各々を包み込む筋膜)にも依存しているということになります。筋肉の状態自体も緊張を生みますし、筋緊張の状態も筋肉の状態を変化させます。
相互に関係しているこの両者を常に念頭に置きながらアセスメントするということがDibs®︎運動連鎖∞整体での評価における真骨頂と言えるでしょう。
筋肉のアライメント

筋肉のアライメントについてです。筋肉はその機能のみをみれば、収縮と弛緩がメインになります。この筋肉は他動的に動かされるとするならば、関節の状態によっては、引き伸ばされることもありますし、捻られることもありますし、曲げられることもあります。そして伸ばされている場所、捻られている場所、曲げられている場所も、筋肉のどの部分がその力学的なストレスがかかっているのかが全身の身体運動の際にはその瞬間瞬間、タイミングごとに変化しています。筋肉全体が引き伸ばされる、筋肉全体が捻られる、筋肉全体が曲げられる状態であれば、単一の力学的ストレスがかかっているのですが、実際には複雑に力学的なストレスがかかっている状態です。局所的なストレスは炎症を引き起こしたり、組織の損傷を引き起こしてしまう可能性があります。
筋肉のアライメント(状態)が身体運動によってどのように変化しているのか。また、どのような感覚入力下で(どの様な力学的ストレス下)で筋出力を発揮しようとしているのかどうかを見極めていく必要があります。
これは一種のパターンとして捉えることができます。パターンが単純であれば、その反応性も単一的なものになりますし、使用しやすい状態を常に保ち続けるように、筋緊張等を常に調整し続けます。多様性や汎用性には乏しい状態ということです。
動きのパターンや動きの状態を筋肉のアライメントという視点から捉えてみると、そのパターンに依存せざるを得ない「状態」であるか否かの判断をしながら、アセスメントをしていくことが可能となります。
筋肉の状態と感覚入力

上記でもお伝えしましたが、筋肉の状態:筋肉のアライメントになり、筋組織の内どの線維のアライメントのことをアセスメントしているのかどうかを明確にしていく必要があります。そして、その線維の状態は動きのパターンとして表出されている一連の反応の循環としてS-O-Rとどの様に関係しているのかどうかを常にアセスメントしていく必要があります。
アライメントの変化が生ずれば、反応も変化するでしょう。そして動きが変化すればSも変化していきます。このように「身体の動き」は常にS-O-Rの循環の中で表出されているのです。
このパターンは入力自体(感覚受容器を構成する組織の調整や状態を調整すること)の変容やOやR(入力に対しての:ボトムアップに対しての反応の調整をすること)の変容をきっかけに変化していきます。
これは有機的な身体の変化であり、ニューロセプションやポリヴェーガル理論というバックグラウンドも含めての変化です。
単一的な運動連鎖としてだけでなく、「いのち」と「循環」という視点もあわせて関わりを再構築するという部分が重要になっていくのです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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Daisuke Nobuchika
・Bodywork Salon Compasses代表
・Somatic Neutrality®考案者
・Dibs®︎考案者
・Innate Pilates®︎考案者
・理学療法士
・Somatic Experiencing™ Practitioner(SEP)
・DARe Practitioner
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス Eye of the needle(Ⅰ&Ⅱ)修了
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス 慢性疼痛と症候群 修了
・Sequencing Workshop 修了
・Yoga Teacher(Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了)
・Somatic Resilience and Regulation®修了
・DE GASQUET®INSTITUT基礎講座、ぺリネのABC受講修了
広島県福山市出身。小学校から社会人にかけてバスケットボールに積極的に取り組み、全国大会やAll Japanに出場。高校生の時に人の役に立つ仕事に就きたいという思いと部活動のトレーナーが理学療法士であることもあり、理学療法士を志す。2011年、理学療法士免許習得。総合病院、整形外科病院在籍中にピラティス、ヨガに出会う。2017年ファンクショナル ローラー ピラティス マスタートレーナーコース修了。2022年SEP取得。同年SRR修了。2023年Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了。現在、理学療法士とサロンでのセラピストとして活躍中。 また、臨床中に患者様と関わる中で「病気になる前の予防の重要性」を感じ、『病気に囚われない予防の実現』を人生のテーマに日々邁進している。
Bodywork Salon Compassesとは
こころとからだの指針を紡ぐBodywork Salon Compassesではヨーガとピラティスなど心身のアクセスを通じた心身コンディショニング・姿勢の改善、タッチセラピー(マッサージ、整体)による痛みのケア(関節痛、首痛、頸部痛、首コリ、肩凝り、背部痛、腰痛、股関節痛、膝痛、足痛や足部の変形:外反母趾など)、循環改善・むくみケア、姿勢と歩きの改善を行っています。ホームページではセッションの内容や料金について詳細がわかりますので、「ホームページはこちら」をクリックしてのぞいていみてください。
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