Dibs®︎運動連鎖∞整体 ブログ0.10 〜関節運動の捉え方〜

 こんにちは。理学療法士、ボディワーカーのDaisukeです。
 今回は、Dibs®︎運動連鎖∞整体における関節運動の捉え方についてお伝えしていきます。
 それでは、内容には入っていきましょう。

関節の「アライメント」①

 最初に関節の「アライメント」についてです。「アライメント」とは関節を構成する骨同士の位置関係のことを指します。関節運動はこのアライメントの連続した繋がりによって構成されています。上の図では左側が骨同士の軸が重なり合っているもので、右側が関節が動いた時の図になります。右の図では上の骨か下の骨かどちらの骨が動いているかは明確には分かりませんね。
 運動連鎖の中では末端にある側の骨が安定していて、中枢部に近い側の骨が動いている時には、「閉鎖性運動連鎖:Closed kinetic chain(CKC)」と言います。逆に中枢部に近い側の骨が安定していて、末端にある骨が動いている時には「開放性運動連鎖:Open kinetic chain(OKC)」と言います。この安定している側というのは、実際には、OKCとCKCは同時に起こっていることが多く見られます。
 そのため、「アライメント」といっても、関節自体の動き、関節を構成している中枢側(近位)の骨の動き、関節を構成している末端側(遠位)の骨の動きという3つの動きを捉えていく必要があります。そして、この3つの動きの中に、周囲の軟部組織の動きや隣接関節の動き、より遠くの関節の動き、重力との位置関係、動き始めの姿勢、支持基底面など運動の構成要素となりうるものを考慮していくのです。そしてこれらを統合していくことで、リハビリテーションでいう「基本的動作能力」や「日常生活動作」、「活動」への繋がっていくのです。
 動作とは構成している要素の結果であり、その要素を見ていく中で、他の要素の関係性も考慮していく必要があるのです。

 関節の動き1つをとっても、その動きの構成要素をそれぞれ捉えていく必要がありますね。

関節の「アライメント」②

 上記でもご紹介しましたが、OKCとCKCは実際の動作の中では明確には分け難い部分があります。それは動きの中で、完全に関節を構成している骨のどちらかが固定されているという場面は少ないからです。
 このようにOKCとCKCが同時に生じながら、全身の運動を調整していく能力を「協調性」と言います。
 この協調性の破綻を関節で捉えてみると、関節を構成している骨の内、近位側の安定性か運動性(動かす能力)、遠位側の安定性か運動性のバランスが崩れているということになります。
 関節自体は動きの軌道は周囲の軟部組織に依存しますが、その動きを誘導したり、ある位置でとどめたりするのは筋肉の働きがあってこそです。この筋肉も周囲の軟部組織にも付着しているため、関節の軌道を構成する要素としても取り上げられますし、筋肉の働きによって関節は動かされ、制動されます。
 ここでも重要なのが、以前にも記事でご紹介した、S(刺激)-O(生体)-R(反応)の一連の身体の動きを構成する要素です。
 つまり、感覚が入力されたことがきっかけで反応が生じている訳ですので、協調性にはこのS-OーRの一連の流れが非常に重要になってきますし、各関節の動きとそれを構成する要素のそれぞれの反応が協調した結果として関節の運動が生じているのです。OKCやCKCとして見えている動きや運動連鎖はそれぞれの身体の部位への刺激から反応が統合されているものです。
 そのため、1つのきっかけが関節の運動の変化にも関わってきます。

 全体も見ながら部分を見ていく重要性が徐々に明確になってきているのではないでしょうか。

関節内の運動(軸と副運動)

 では、次に関節の動き自体を見ていってみましょう。関節の動きには、関節内の動きというものがあります。これは「関節の副運動」と言われます。上の図のように回転、並進、転がり、滑りといった関節内部での動きになります。これは言い換えれば関節の面を移動させる動きであり、関節の面を移動させることによって関節の軸を骨軸と軟部組織の緊張とを一致・緩和させながら関節運動を構成しているのです。
 この副運動が起こらなければ関節面の移動は生じることはありませんし、関節本来の可動性を生むことはできません。

 関節はその形状によって運動方向は決まっており、運動軸の数も決まっています。その関節の形状に加えて、副運動があることによってその可動性が最大限確保されているのです。
 副運動による関節面の移動がなければ、関節運動を構成する面は固定的になってしまい、関節覚も適宜変化することがなく、筋肉の反応も一定的になってしまい、必要な時に必要な筋出力を見出すことができなくなってしまいます。

 関節運動における副運動と関節面の移動、OKCとCKCによる協調性、S-O-Rによる反応性と協調性といった関節運動における要素を捉えていくということも重要なことになります。

 

関節内の運動

 関節内の運動について、特に関節の形状と軟部組織についてお伝えします。
 本来であれば、滑膜関節自体は三次元的に動くことは可能ですが、上記でもお伝えしたようにその運動軸は関節の形状に依存しています。この関節の形状による運動の軌道から逸脱した場合、もしくは関節の面から外れてしまった場合は「脱臼」ということになりますし、場合によっては軟部組織の挟み込み現象(インピンジメント)が生じることもあります。
 この関節の形状が関節運動を構成している(いわば列車の線路のような役割)要素であることは重要なことです。
 そして、この関節の形状に沿った関節の動きを円滑にするために軟部組織はその軌道を修正しています。この機能修正によって関節内の副運動が生じ、その関節を安定させながら、最大限の動きを確保しているということになります。(いわば列車が線路から脱線しないようにしている調整役です)

 これらの2つの要素が相互に協調することによって関節の「安定性」と「可動性」を確保することができるのです。ここでは詳細は割愛しますが、「筋緊張」もこれらには影響しますし、運動連鎖におけるOKCとCKCの連動性においても非常に重要な部分になります。

凹凸の法則

 関節運動における凹凸の法則の理解です。関節を構成している骨の内、凹面側の骨が動けば凹の法則、凸面側の骨が動けば凸の法則が成り立ちます。関節の動きの軌道は関節面の形状に依存していると前項にてお伝えしましたが、その動きを細かくみると関節を構成している骨の凹側が主として動いているのか、凸側が主として動いているのか、または同時に動いており、その動き1方向のみでなく、2方向なのかなど様々な動きの方向性と要素が統合されて1つの関節の動きが構成されているのです。

 上の図で見てみると凸側が動けばCKCの運動連鎖となり、凹面が動けばOKCの運動連鎖となっていますね。一概には全てがこのようになる訳ではないのですが、関節を構成しているどの面がどの方向に動いているのかどうかという視点を持つことで、どのような感覚入力下での動きが表出されているのかどうかを判断していくことが可能になっていきます。

 これは前項にも述べましたが、S-R-Oの一連の中での動き・運動連鎖をみていくことになるのです。

関節運動の捉え方のポイント

 では、Dibs®︎運動連鎖∞整体における関節運動の捉え方のポイントについてまとめてみましょう。
 関節運動を捉える視点を上図にまとめました。まずは重力です。身体には必ず重力がかかり、その影響下で運動が構成されています。重力が関節のどの方向にかかっているのか、その重力に対してどのような感覚が入力され、どのような反応や調整がなされているのかどうかをアセスメントしてきます。
 次に関節の支持面です。関節の支持面は関節面の形状の特徴の把握とどの面で現在の関節運動がなされているのかどうかを捉えていきます。運動の移り変わりによって運動を構成する関節面は変化していきます。この瞬間瞬間の変化を関節の支持面という視点で捉えていく必要があるのです。これも関節運動を構成している要素になります。
 次に関節の運動面です。関節の支持面は関節運動においてその運動している骨を支える側です。運動面は実際に動いている骨側の関節面です。実際にはこの支持面と運動面は1つの骨がどちらも担っていることが多く、身体運動の統合の中でその塩梅が調整されています。
 初動に関しては、関節の動き始めのことです。関節運動は関節面の形状に依存しますが、身体運動の中で単一の関節のみが動くことはなかなかありません。全身生としてアセスメントしている関節がどの方向に動いているのか、またはどの方向に力が加わっているのかを把握する必要があります。初動といっても呼吸運動1つとっても関節運動はなされていますので、完全に静止している状態からの動きはありませんが、大きく言えば、重心の移動や身体運動時の支持基底面を変化させていく際の動きの始まりのことと捉えてください。
 次に周囲の軟部組織の張力です。関節運動は関節の形状に加えて、周囲の軟部組織の状態にも依存するということでしたね。関節運動においてその瞬間瞬間で軟部組織の張力は変化していますし、これは列車が脱線しないようにしている作用と同じであり、この軟部組織が相互に張力を持つことで関節が最大限に可動性を確保することが可能になるのです。

 そして、安静時のアライメントと運動時のアライメントです。関節運動においてCKCやOKCでの運動も含めて全身では相互に行われています。安静時のアライメントは大きく重心移動が生じていない、重心の位置が変化していない状態での骨と骨との(関節を構成している)位置関係です。この安静時のアライメントから、目的の動作を行なっていく(運動時のアライメント)訳ですので、安静時のアライメントが崩れていればその関節運動は大きく軌道を修正されながら起こる必要性があるのです。ある安静時のアライメントはある運動のアライメントの結果(最終着地点)でもありますので、安静時のアライメントと運動時のアライメントも連動しています。

 なぜこのようなアライメントなのなといったことを考えていく場合、前後の動作の確認を行なっていくことも非常に重要なことになるのです。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

Daisuke Nobuchika

・Bodywork Salon Compasses代表
・Somatic Neutrality®考案者
・Dibs®︎考案者
・Innate Pilates®︎考案者
・理学療法士
・Somatic Experiencing™ Practitioner(SEP)
・DARe Practitioner
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス Eye of the needle(Ⅰ&Ⅱ)修了
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス 慢性疼痛と症候群 修了
・Sequencing Workshop 修了
・Yoga Teacher(Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了)
・Somatic Resilience and Regulation®修了
・DE GASQUET®INSTITUT基礎講座、ぺリネのABC受講修了
広島県福山市出身。小学校から社会人にかけてバスケットボールに積極的に取り組み、全国大会やAll Japanに出場。高校生の時に人の役に立つ仕事に就きたいという思いと部活動のトレーナーが理学療法士であることもあり、理学療法士を志す。2011年、理学療法士免許習得。総合病院、整形外科病院在籍中にピラティス、ヨガに出会う。2017年ファンクショナル ローラー ピラティス マスタートレーナーコース修了。2022年SEP取得。同年SRR修了。2023年Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了。現在、理学療法士とサロンでのセラピストとして活躍中。 また、臨床中に患者様と関わる中で「病気になる前の予防の重要性」を感じ、『病気に囚われない予防の実現』を人生のテーマに日々邁進している。

 

Bodywork Salon Compassesとは

こころとからだの指針を紡ぐBodywork Salon Compassesではヨーガとピラティスなど心身のアクセスを通じた心身コンディショニング・姿勢の改善、タッチセラピー(マッサージ、整体)による痛みのケア(関節痛、首痛、頸部痛、首コリ、肩凝り、背部痛、腰痛、股関節痛、膝痛、足痛や足部の変形:外反母趾など)、循環改善・むくみケア、姿勢と歩きの改善を行っています。ホームページではセッションの内容や料金について詳細がわかりますので、「ホームページはこちら」をクリックしてのぞいていみてください。

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