
こんにちは、広島県福山市でボディワークサロンをやっています、Daisukeです。
前回に引き続き、今回は運動連鎖整体®︎からみた「脊柱のカップリングモーション」について理解を深めていきましょう。
目次(Contents)
脊柱のカップリングモーションを理解する〜成り立ち〜

脊柱のカップリングモーションとは1905年にLovettが提唱した概念であり、これは脊柱の関節面の形状が部位ごとに異なるために、それぞれの動きに特性があるということです。
そしてここで、もう一つ、比較解剖学的な視点から脊柱の特性を考えてみようと思います。
まず、ヒトは類人猿と異なり、大後頭孔が真下を向いているという特徴的な頭蓋骨の形状をしています。いわば、脊柱を立てた時に頭蓋骨がちゃんと真上に乗るような形状をしているのです。ということは、類人猿の上位頸椎の回旋という動きとヒトの回旋という動きは異なるということにもなります。
また、類人猿の脊柱は頸部前弯位、胸部と腰部は後弯位という脊柱に2つのカーブを呈します。そして移動手段はナックルウォークやブラキシエーションという木にぶら下がり、枝葉を伝いながら移動をします。
かたやヒトは頸部前弯、胸部後弯、腰部前弯という脊柱に3つのカーブを呈します。そして移動手段は直立二足歩行です。
つまり、類人猿の移動手段での脊柱の動きの特徴は屈伸がメインであり、ヒトでは回旋がメインの動きになります。
頭位が異なることと、移動手段における脊柱の動きの使い方の特性に違いがあり、このヒトの脊柱の状態の中でカップリングモーションが生じるということをが重要です。
ですので、抗重力伸展活動がなされている状態であってこそ、ヒトの骨格特性を活かした動きをすることができるのです。
重力に抗していない状態であれば、脊柱のカップリングモーションは破綻した状態となってしまいます。
後にお伝えしますが、上肢帯や下肢帯の動きにもこの脊柱の動きが連動しており、「全ては歩行に紡がれる」という概念とも関わりが深いということが感じれるでしょう。
各椎骨の関節面の違い〜矢状面〜

先ずは頸椎、胸椎、腰椎における関節面の矢状面での角度の違いについてです。上の図のように頸椎は45°程度、胸椎は60°程度、腰椎は90°程度の角度を呈しています。
この角度の違いがあることによって、脊柱の側屈・屈伸と回旋の組み合わせが異なります。
頸部前弯、胸部後弯、腰部前弯という脊柱の3つのカーブがあるということと、頸椎、胸椎、腰椎での関節面の形状(角度)が異なるということをまず知っておいてください。
※ここでは頸部、胸部、腰部と頸椎、胸椎、腰椎は異なるニュアンスとして使用しています。頸椎、胸椎、腰椎は解剖学的な名称のことです。頸部、胸部、腰部は姿勢における構造の特徴を区分けして使用しています。頸部とは頸の前弯を呈している部分(第1頸椎:C1〜第4胸椎:Th4)、胸部は胸の後弯を呈している部分(第4胸椎:Th4〜第12胸椎:Th12)、腰部は腰の前弯を呈している部分(第12胸椎:Th12〜第5腰椎:L5)として区分けしています。Th4は頸部と胸部の、Th12は胸部と腰部の前弯ー後弯の移行部分であり、この部分を脊柱のトラジショナルポイントといいます。
各椎骨の関節面の違い〜水平面〜

では次に、水平面における頸椎、胸椎、腰椎の関節面の角度について見てみましょう。
頸椎は0°、胸椎は20°、腰椎は45°を呈しています。
これらの矢状面と前額面での関節面の角度の違いを考慮すると、頸椎は屈伸と回旋と側屈が、胸椎は回旋の動きが、腰椎は屈伸の動きが得意な動きとなります。(White et al 1978)
脊柱の側屈と回旋の連動
この図は、脊柱の側屈の動きと回旋の動きを図式化しています。この図を見ただけでも、左に脊柱が側屈するだけでも、部位によって様々なカップリングの動きが生じていることが見受けられます。ただし、単純に側屈をするという動き自体は、生活している上でなかなかとる動きではないため、常に抗重力伸展活動位である回旋という動きをメインに見ていってみましょう。脊柱の回旋の動きは歩行に直結しますし、最初にもお伝えしたように、ヒトの移動手段としての特徴的な脊柱の動きになります。回旋の動きで移動できるようになったことで、運動エネルギーと位置エネルギーの変換を効率よく行うことができるようになり、疲労しにくい移動手段を獲得することができたのです。
この側屈の動き自体を生かすとするならば、ヨーガやピラティスのポーズやエクササイズの中で動きを深めていくときに役立つでしょう。
本来のカップリングである、側屈の動きと回旋の動きが連動していなれば(例えば側屈とのカップリングとは逆に回旋してしまっている)側屈の動き自体も制限されてしまいます。
回旋の動きから見てみれば、側屈のカップリングが破綻した状態であれば、回旋の動きは制限されるでしょう。
脊柱の回旋と側屈による脊柱の弯曲の構成

この脊柱のかップリングモーションの図は上位頸部、中-下位頸部、胸部、上-中位腰部、下位腰部、仙骨部に分けて図式化しています。
この図は脊柱が左に回旋している図になります。歩行の際の脊柱の回旋運動を前提としていますので、視線が正面を向いていると仮定し、脊柱の左回旋が生じると、相対的に頸部は右に回旋していると解釈してください。
上の図では上位頸部を頭蓋骨と第1頸椎の関節としています。
この関節は環椎後頭関節といいます。この上位頸部では回旋の動きに対して、反対側へ側屈が生じます。
そして第2頸椎〜第4胸椎までを中-下位頸部としています。この部位では回旋の動きと同側への側屈が生じます。
上の図では頸部は右に回旋していることになりますので、上位頸部は右回旋-左側屈が、中-下位頸部では右回旋-右側屈が起こっています。
上位頸部と中位-下位頸部の関節面の角度の違いを下図に示します。

この図のように頭蓋骨と環椎(第1頸椎)との関節面と環椎と軸椎(第2頸椎)の関節面とは形状が異なるため回旋に伴う側屈の動きが異なるのです。
胸部へ移ります。胸部とは第4胸椎〜第12胸椎までのことです。この部位では脊柱の回旋の動きと同側への側屈が生じます。
上の図では左回旋-左側屈が起こっています。
腰部へ移ります。
上位-中位腰部とは第12胸椎〜第4腰椎までのことです。この部位では脊柱の回旋の動きと反対側へ側屈が起こっています。
上の図では、左回旋-右側屈が起こっています。
下位腰部とは第5腰椎のことです。この部位では脊柱の回旋の動きと同側へ側屈が起こっています。上の図では左回旋-左側屈が起こっています。この下位腰部の動きは上図の場合は右足で立っていることになる回旋の方向への運動になるため、片脚立位になっている影響が大きく出ています。
仙骨部へ移ります。
仙骨部は回旋と反対側へ側屈が生じます。上の図では左回旋-右側屈が起こっています。
この動きは全てが連動して起こるため、1つでも動きが破綻してしまえば、歩行中の重心移動は円滑に行われず、イレギュラーな動きによって代償をしてしまう可能性が出てきます。
このカップリングのどこかが破綻してしまえば、全体の動きの制限にも繋がりますし、この脊柱の動きは四肢(末端)へと波及していくため、バランス機能や歩行、上肢の動きにも影響がかなり出てきます。
逆に言えば、この脊柱のカップリングモーションが円滑に行われていれば、制限なく動きの自由度は高まります。
結果的に疲れにくい体づくりに繋がり、四肢の関節への局所的なストレスも軽減することができるのです。
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Daisuke Nobuchika
・Bodywork Salon Compasses代表
・Somatic Neutrality®考案者
・Dibs®︎考案者
・Innate Pilates®︎考案者
・運動連鎖整体®︎考案者
・理学療法士
・Somatic Experiencing™ Practitioner(SEP)
・DARe Practitioner
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス Eye of the needle(Ⅰ&Ⅱ)修了
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス 慢性疼痛と症候群 修了
・Sequencing Workshop 修了
・Yoga Teacher(Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了)
・Somatic Resilience and Regulation®修了
・DE GASQUET®INSTITUT基礎講座、ぺリネのABC受講修了
広島県福山市出身。小学校から社会人にかけてバスケットボールに積極的に取り組み、全国大会やAll Japanに出場。高校生の時に人の役に立つ仕事に就きたいという思いと部活動のトレーナーが理学療法士であることもあり、理学療法士を志す。2011年、理学療法士免許習得。総合病院、整形外科病院在籍中にピラティス、ヨガに出会う。2017年ファンクショナル ローラー ピラティス マスタートレーナーコース修了。2022年SEP取得。同年SRR修了。2023年Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了。現在、理学療法士とサロンでのセラピストとして活躍中。 また、臨床中に患者様と関わる中で「病気になる前の予防の重要性」を感じ、『病気に囚われない予防の実現』を人生のテーマに日々邁進している。
Bodywork Salon Compassesとは
こころとからだの指針を紡ぐBodywork Salon Compassesではヨーガとピラティスなど心身のアクセスを通じた心身コンディショニング・姿勢の改善、タッチセラピー(マッサージ、整体)による痛みのケア(関節痛、首痛、頸部痛、首コリ、肩凝り、背部痛、腰痛、股関節痛、膝痛、足痛や足部の変形:外反母趾など)、循環改善・むくみケア、姿勢と歩きの改善を行っています。ホームページではセッションの内容や料金について詳細がわかりますので、「ホームページはこちら」をクリックしてのぞいていみてください。
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