
こんにちは、広島県福山市でボディワークサロンをやっています、Daisukeです。
運動連鎖を活用した整体である「運動連鎖整体®︎」の全体像についてご紹介します。
元来の運動の繋がりを力学的な視点のみだけでなく、その運動や動作に関わるすべての要素を含むコンセプトになります。心理的、精神的な要素を踏まえて、身体の反応として、身体性としてSomaticな視点での「運動」の「繋がり」=連鎖をみていくということを切り口に展開されるものです。
目次(Contents)
運動連鎖整体®︎全体像

「歩行」、「呼吸」、「圧バランス」という3つの視点がポイントとなるアプローチコンセプトです。
人の体には重力が常にかかり続け、圧によって身体の安定性を保ち、呼吸によってエネルギーを取り込み活動をしています。
そのエネルギーは地上での外圧と内圧がバランスされている体の中を巡ります。ヨーガではこのエネルギーをプラーナと言います。解剖学的な視点で言えば、心臓による血液循環や、呼吸代謝で言えば外呼吸と内呼吸の関係性です。
身体の構成には様々な見解がありますので、この生体の安定を司る内圧と外圧は組織構成の知見も必要です。(身体自体も、タンパク質、脂質、糖質、ビタミンなどによって構成されていますからね)
身体自体の動きはあくまで、アセスメントの切り口であり、きっかけであるだけで、組織の状態も併せて、アセスメント(評価、考察)する必要があります。
全ては歩行に紡がれるでの「紡ぐ」という言葉の意味には、要素を一つ一つ繋ぎ合わせてつくりあげる、受け継ぐという意味合いがあります。単に運動の繋がりのみを意味するのではなく、その関係性に焦点を当ててアプローチをしていきます。
身体の構成要素、そのシステムを環境とともにみていくという視点が重要になります。
運動連鎖整体®︎の全体像としての
☑︎全ては歩行に紡がれる
☑︎全ては呼吸に帰結する
☑︎生体の安定のためには内側と外側の圧バランスが重要
という3つになります。
それでは次にこの3つのコンセプトについて少し深ぼっていってみましょう。
全ては歩行に紡がれる

まず一つ目に、歩行に紡がれるにフォーカスをあてます。
発達の視点も関係しますが、私たちは、出生してから概ね1年程度で歩行が獲得されます。まずうつ伏せでの腕や首、眼球の動きや、下肢の動きから始まり、寝返りをしその後ハイハイをして背骨の屈伸の動きと側屈の動きを協調的に動かしながら移動が可能となります。そして四つ這いになり、脊柱ー肩甲骨から手部での支持と脊柱(骨盤帯)ー股関節ー膝ー足部での支持という身体の中枢部から末端方向への力の伝達を徐々にできるようになります。この中枢部から末端へ力を伝達していく中で、末端から中枢部への力が帰ってくるよううになり、より環境に適応した身体のバランス機能が徐々に培われていきます。首が座ると、お座りができるようになり、背骨を重力に抗して立てた状態での上肢の動き(リーチ動作)や骨盤帯と股関節を協調させて、重心の位置を保ったまま、各体節を重力に抗して重ねて立て続けるということが可能になります。
このように姿勢を保持できるようになることに加えて、その姿勢でさらに四肢を動かしていきます。この中で身体の安定させる部分と自由度を増して動かすことができる部分を分離していきます。
この中で、開放性運動連鎖(Open Kinetic Chain:以下OKC)と閉鎖性運動連鎖(Closed Kinetic Chain:以下CKC)が自然と学習されていきます。
OKCは腕を上げるなど、中枢部が安定して末端部が動いていく運動連鎖です。CKCは末端が安定した状態で中枢部が動いていく運動連鎖です。
実際の身体の動きでは、このOKCとCKCが双方に生じることで、動きを円滑にしているのですが、この詳細については次章以降でお伝えします。
このOKCとCKCは外在的運動連鎖としてまとめられます。外在的運動連鎖とは重力や力の伝達といった、その力の伝わりや影響が視覚的(視診)や触ること(触診)によって状態を把握することができるものです。
しかし、実際の身体は外在的なものにも影響を受けていますが、身体内部で生じているシステムもこの外在的運動連鎖との関係性の中で機能しており、動きに影響を与えています。
運動連鎖整体の中で一つの指標としてはこの「外在的運動連鎖」の把握と解釈になります。
全ては呼吸に帰結する

では続いて「全ては呼吸に帰結する」についてです。上記でもお伝えしましたが、この呼吸に帰結するという部分は「内在的運動連鎖」と深く関わっています。
ポイントは隔膜構造の理解とポリヴェーガル理論です。これらの指標の把握には、ステファン・W・ポージェス博士が提唱されているニューロセプションを使う必要があります。ニューロセプションとは身体が何となく感じている身体性の部分のことです。
少し分かりにくいと思いますが、認知的な部分以前に「何か良くない気がする」といったような身体自体が感じている信号のようなものです。
このニューロセプションによって、身体内部ではいろいろなシステムが常に稼働したり、稼働しようとして(準備状態)いるのです。
外在的運動連鎖で見て取れている部分が、外部の影響なのか、それとも内部のシステムの影響(これはニューロセプションによる)なのかという部分の2つのメガネで見ている必要があります。
内部のシステムの指標となる隔膜は臓器を隔てている膜になりますが、臓器自体を囲っている組織にもなりますので、臓器自体を守っている役割もあります。姿勢や自律神経系の状態によっても隔膜は緊張状態を変化させています。
ポリヴェーガル理論は多重迷走神経理論とも言われ、自律神経系を腹側迷走神経複合体(ソーシャルエンゲージメント)、背側迷走神経複合体、交感神経系の3つに分類しています。腹側迷走神経複合体は有髄神経で横隔膜より上の臓器を支配しています。背側迷走神経複合体は横隔膜より下の臓器(消化・吸収など)を支配しています。交感神経系は活動の際に働きます。
腹側迷走神経複合体は背側迷走神経複合体や交感神経系と協働して身体のシステムを調整しています。
この隔膜とその中にある臓器を支配している自律神経系の関係性を内側の関係性(内在的運動連鎖)とするならば、上記でもお伝えしている外在的運動連鎖は外側の関係性といってもいいでしょう。この外在的運動連鎖と内在的運動連鎖は様々な身体の分でお互いに関係を持っています。脊柱の動きもそうですし、関節もその関係性が随所に見受けられる身体部分です。
次にお伝えしていく、内側と外側の圧バランスについても、内在的運動連鎖と外在的運動連鎖の関係性として見てみると、内側と外側のバランスが保たれることで、身体は安定し、とどまることができるのです。この関係性が崩れた場合、身体の状態では「偏位」と表現します。
生体の安定のためには内側と外側の圧バランスが重要
では次に身体組織における、内圧と外圧の圧バランスについてです。上記でもお伝えしていますが、内在的運動連鎖と外在的運動連鎖は相互にバランスをとりながら、姿勢の保持や運動の安定性を保持し続けています。このバランスが崩れると身体は「偏位」を起こします。
抗重力伸展活動に置き換えて考えてみると、身体を重力に抗するように起こしていくためには、重力方向の力が必要になります。力学的な視点で言えば作用反作用の法則があることによって身体を重力に抗して起こし続けることができるのです。床からの半力・身体を重力に抗して起こし続ける力と重力方向への足で押して支える力・重力が双方にバランスが取れているので潰れることなく、身体を地球上で起こし、活動をし続けることができるのです。
比較解剖学によるヒトの骨格の進化の過程をみてみると、ヒトがなぜこの骨格に落ち着いたのかについては重力に抗して活動をするために、(効率的に重力に抗するために)この骨格へと適応的に変化していったと考えられます。
この「偏位」とは重力に抗することが困難になっている部分であり、偏位が生じている部分はこの偏位(崩れ)が他の部分へと偏位の連鎖として身体の別の部位へ連鎖していきます。
逆に言えば、偏位の修正や修復(内在的運動連鎖、外在的運動連鎖共に)が成されていくと修正や修復も連鎖として身体の他の部分に連鎖していきます。
圧バランスが取れているということは、身体の偏位は生じずに安定して重力にこうすることができた状態で活動することができます。
身体はその偏位や重力との関係性の中で活動しており、その活動や姿勢の取り方、バランスの取り方は学習をされていきます。これは一種のパターンです。その方法でしか動くことができない、その方法でしかバランスを取ることができないといったように。
「偏位」という言葉だけでも、「圧バランス」や「パターン」としても理解することができます。
内圧分散

上記の「圧バランス」については、特に姿勢や運動に関連するものを取り上げました。
ここでは、身体内部の圧分散についてお伝えします。上の図では血流を例としてあげています。血液の流れは心臓からのポンピングによって身体の末端へ栄養や酸素を運び、また末端からは老廃物や二酸化炭素などの代謝産物が心臓へ戻されています。血液の内部は一方方向の圧が加わっているのではなく、逆方向への圧も多少加わっています。この圧の合計が結果的に血液がどちらの方向に流れるのかを決定づけています。逆方向の圧が大きくなれば、本来流れている方向への血液の流れは流れにくくなります。このように圧の合計によって身体の中の血液の流れの方向性は決まっているのです。
運動連鎖整体の中ではハンドリングテクニックとして動的・静的パルペーションを使用します。このテクニックの中でこの「内側の圧」についてもアセスメントの題材として取り上げていきます。
自然の中の川もそうですが、流れが阻害されれば、その川は決壊し、他の部分へ水が流れていってしまいます。
身体の中の流れも川の原理と同じです。そういった意味でも、ニューロセプションを知っておくことも非常に重要になってくるでしょう。
Expantion(拡張)と抗重力伸展活動

圧バランスの部分でも触れましたが、身体は重力に抗する中で内部は拡張され、その振幅を保っています。これは呼吸による振幅が代表的なものですが、心臓のポンピングも振幅を生じさせますし、脳脊髄液の流れも振幅を生じさせます。
比較解剖学の視点としては、類人猿とヒトは姿勢も違えば、身体の内側や外側にかかる重力の方向性も異なります。そのため、筋機能も異なりますし、この図のように身体の拡張(Expantion)と抗重力伸展活動の関係性は非常に重要となるのです。
この拡張がなされていない状態では重力に抗することが難しい状態=偏位をしてしまいます。
身体や心身を整えるためには、この拡張の理解も欠かせません。
運動連鎖整体で扱う大きなものとして、「外在的運動連鎖」と「内在的運動連鎖」を取り上げた理由が少しでもご理解いただけると嬉しく思います。
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Daisuke Nobuchika
・Bodywork Salon Compasses代表
・Somatic Neutrality®考案者
・Dibs®︎考案者
・Innate Pilates®︎考案者
・運動連鎖整体®︎考案者
・理学療法士
・Somatic Experiencing™ Practitioner(SEP)
・DARe Practitioner
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス Eye of the needle(Ⅰ&Ⅱ)修了
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス 慢性疼痛と症候群 修了
・Sequencing Workshop 修了
・Yoga Teacher(Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了)
・Somatic Resilience and Regulation®修了
・DE GASQUET®INSTITUT基礎講座、ぺリネのABC受講修了
広島県福山市出身。小学校から社会人にかけてバスケットボールに積極的に取り組み、全国大会やAll Japanに出場。高校生の時に人の役に立つ仕事に就きたいという思いと部活動のトレーナーが理学療法士であることもあり、理学療法士を志す。2011年、理学療法士免許習得。総合病院、整形外科病院在籍中にピラティス、ヨガに出会う。2017年ファンクショナル ローラー ピラティス マスタートレーナーコース修了。2022年SEP取得。同年SRR修了。2023年Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了。現在、理学療法士とサロンでのセラピストとして活躍中。 また、臨床中に患者様と関わる中で「病気になる前の予防の重要性」を感じ、『病気に囚われない予防の実現』を人生のテーマに日々邁進している。
Bodywork Salon Compassesとは
こころとからだの指針を紡ぐBodywork Salon Compassesではヨーガとピラティスなど心身のアクセスを通じた心身コンディショニング・姿勢の改善、タッチセラピー(マッサージ、整体)による痛みのケア(関節痛、首痛、頸部痛、首コリ、肩凝り、背部痛、腰痛、股関節痛、膝痛、足痛や足部の変形:外反母趾など)、循環改善・むくみケア、姿勢と歩きの改善を行っています。ホームページではセッションの内容や料金について詳細がわかりますので、「ホームページはこちら」をクリックしてのぞいていみてください。
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