上腕骨近位端骨折術後のリハビリテーションとアライメント

こんにちは。Bodywork Salon Compasses代表、ボディワーカー・理学療法士のDaisukeです。

今回は、上腕骨近位端骨折術後のリハビリテーションと身体のアライメントの特徴について紹介していきます。

上腕骨近異端骨折とは

 

上腕骨には下図のように上腕骨近位部、上腕骨骨幹部、上腕骨遠位部という大きく分けて3つの部位に分けられます。

この上腕骨の近位部の骨折のことを上腕骨近位端骨折といいます。

手術としては、髄内定固定、プレート固定、人工骨頭置換術などの術式があります。

手術適応となり、手術の際には、皮膚を切開している場合は術後は傷の管理がありますし、医師の指示に従ってリハビリテーションが進んでいきます。

リハビリテーションの中では肩関節の関節可動域運動や運動療法や動作練習が行われていきますが、今回はこの運動療法の際のポイントとなる肩甲帯と胸郭・胸椎の動きについて紹介していきます。

上腕骨の前方挙上と骨の動き

上腕骨の前方挙上に伴って、鎖骨は後方回旋が生じ、上腕骨頭は後方への滑りが生じます。この鎖骨の後方回旋は前方挙上90°から大きく後方に回旋が生じます。

また上腕骨の前方挙上に伴い、肩甲骨は前方突出(肩甲骨の上方回旋+外転)し、肋骨は後方回旋し、胸椎は伸展方向へ動きます。

それでは、上記の中での動きが1つでも破綻してしまった場合はどのようなことが起こるかというと、代償動作として、努力性に腕を上げようとするという事象が生じます。

手術の後は、安静固定の時期があれば、「廃用」という筋力低下や関節周囲の軟部組織の柔軟性の低下が生じて、関節の可動性の低下が生じます。筋力低下が起これば、腕を上げていってもいい時期になったとしても、自由に腕を動かすことができません。

そして、筋力低下や柔軟性の低下だけでなく、「使い方の劣化」、つまり「誤用」も生じます。

ここでのポイントが筋肉をただ使うと言っても、どのようなタイミングでどの筋肉がどの収縮様式に働く必要があるのかということです。

また、ここでのポイントが上記のようなそれぞれの骨の動きの連動になります。

骨の連動が円滑にいかなければ、本来の動きではないことになるので、代償動作が生じるのです。

上腕骨の外転と骨の動き

上腕骨の外転には外転90°からは肩関節の外旋が必要です。外旋が生じなければ大結節が肩峰に衝突してしまい、完全な可動性は獲得することができません。
鎖骨は前方挙上と同様に後方回旋し、肩甲骨は外転・上方回旋が生じます。
肋骨は側方回旋が生じ、胸椎は上腕骨外転側と反対に側屈が生じます。(例:右の上腕骨外転の場合は胸椎は左に側屈する)
これらの骨の連動が起こることによって外側から腕を上方に挙げていくことができます。

上腕骨の後方挙上と骨の動き

上腕骨の後方挙上の際には、鎖骨は後方回旋し、肋骨には前方回旋が生じます。肩甲骨は下方回旋し、胸椎には屈曲が生じます。
これらの骨の動きが連動することによって、腕を後ろに伸ばすことができます。
結滞動作という腕の動きにはこの上腕骨の後方挙上の骨の連動に加えて、肩関節の内旋の動きが必要になります。

術後のアライメント評価

上述のように上腕骨を挙げる方向によって、骨の連動する動きは異なります。
手術後の固定等によって、一定期間骨の連動が起こっていない場合は、肩の関節以外の骨の動きも連動が生じなくなっていることがあります。
つまり、部分的な身体のアセスメント(評価)だけでなく、近隣の身体の骨の動きの連動にも着目したアセスメントが必要になります。

肩の動きに伴って、近隣の部位は連動して動いているのかどうか。
骨の連動に伴って筋肉の収縮タイミングは適切なのかどうか、代償動作は出現した状態で生活動作を送っていないかなどの視点を持って臨床でのアセスメントに活かしてみてください。

 

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この記事を書いた人

Daisuke Nobuchika

・Bodywork Salon Compasses代表
・Somatic Neutrality®考案者
・理学療法士
・Somatic Experiencing™ Practitioner(SEP)
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス Eye of the needle修了
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス 慢性疼痛と症候群 修了
・Yoga Teacher(Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了)
・Somatic Resilience and Regulation®修了
・DE GASQUET®INSTITUT基礎講座、ぺリネのABC受講修了
広島県福山市出身。小学校から社会人にかけてバスケットボールに積極的に取り組み、全国大会やAll Japanに出場。高校生の時に人の役に立つ仕事に就きたいという思いと部活動のトレーナーが理学療法士であることもあり、理学療法士を志す。2011年、理学療法士免許習得。総合病院、整形外科病院在籍中にピラティス、ヨガに出会う。2017年ファンクショナル ローラー ピラティス マスタートレーナーコース修了。2022年SEP取得。同年SRR修了。2023年Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了。現在、理学療法士とサロンでのセラピストとして活躍中。 また、臨床中に患者様と関わる中で「病気になる前の予防の重要性」を感じ、『病気に囚われない予防の実現』を人生のテーマに日々邁進している。

 

Bodywork Salon Compassesとは

こころとからだの指針を紡ぐBodywork Salon Compassesではヨーガとピラティスなど心身のアクセスを通じた心身コンディショニング・姿勢の改善、タッチセラピー(マッサージ、整体)による痛みのケア(関節痛、首痛、頸部痛、首コリ、肩凝り、背部痛、腰痛、股関節痛、膝痛、足痛や足部の変形:外反母趾など)、循環改善・むくみケア、姿勢と歩きの改善を行っています。ホームページではセッションの内容や料金について詳細がわかりますので、「ホームページはこちら」をクリックしてのぞいていみてください。

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