こんにちは,理学療法士・ボディワーカーのDaisukeです。
理学療法の臨床場面ではアセスメントの中にバランス機能があり,そのバランス機能は動作遂行のために必要不可欠な要素になります。
これは支持基底面の中で自らの重心をどのように保持・安定化・制御し,その姿勢を崩すことなく動作を遂行するかという基本動作や姿勢保持の要素になります。
今日は姿勢戦略(ストラテジー)とピラティスの基本原則,Somatic Neutrality®︎における関節の中心化との関係性について綴ってみたいと思います。
目次(Contents)
姿勢戦略:ストラテジーとは
身体の代表的な姿勢戦略としては,股関節戦略(ヒップストラテジー)と足関節戦略(アンクルストラテジー)があげられます。
これは単一の関節におけるストラテジーのことを言っており,実際には,近隣関節との関係性や筋との関係性もあり,「動き」の中でのストラテジーは複雑系です。
まずは,ヒップストラテジーとアンクルストラテジーの関係性についてです。
例えば,前額面上で左下肢へ重心移動するとします。
すると,左の股関節は内転方向へ,左の足関節は足のトラス機構によって,距骨下関節の回内に伴う軽度背屈方向へ運動が生じます。
この,股関節の内転を制動するのが,股関節外転筋であり,加えて股関節では腸腰筋が足部の回内に伴う股関節の内旋方向のモーメントを制御します。
足関節では軽度背屈運動に対して,ヒラメ筋が,距骨下関節の回内に関しては足内在筋がその動きを制御します。
これらの制御するための筋肉が関節の動きに伴って働くことができなければ,動きの速度制御や運動幅の制御が不十分となり,バランスを崩します。
このような状態ではストラテジーは自ら制御しているという状態ではなく,靭帯などの身体の構成物によりかかるような状態になってしまいます。
ということは重心の位置を中心に戻すことが困難になるということになります。
重心の位置を中心に戻すことができず,重心の位置が支持基底面から外れてしまえば,「転倒」してしまいます。
このように,関節の動きに伴って,その関節の動きを制動する筋肉が「遠心性収縮」や「等尺性収縮」をタイミングよく使い分ける必要があります。
タイミングよく働くためには,筋紡錘や腱紡錘,そしてα運動ニューロンとγ運動ニューロンの双方の関係性が重要になるのですが,今回は割愛します。
では,次に,このストラテジーとピラティスの基本原則と「関節の中心化」との関係性について述べていきます。
ピラティス基本原則「正中化」とSomatic Neutrality®︎における「関節の中心化」
ピラティスでは身体の正中化という基本原則があります。
正中化とは身体の中心の軸を正中に統合するということです。
そして,Somatic Neutrality®︎における「関節の中心化」とは上記の図のように骨軸の交点である関節の中心軸が常時安定している状態ということになります。
このように関節の中心化がなされている関節のポジションでは常に中心軸が定まっているため,関節内運動である「関節の副運動」も円滑に行うことができます。
しかしながら,この関節の中心点が微細に安定していない状態では,関節の中心部が定まっていないため,姿勢戦略を呈そうとしても,どのタイミングで筋肉が関節の動きを制動すればよいのかどうかが曖昧になってしまうのです。
これは関節の中心部がズレることで,筋紡錘や腱紡錘にも影響を与えるためです。
動作や姿勢戦略をアセスメントしていく時には,関節を構成する骨同士がお互いにどのようなポジションを呈しているのかどうかを常に念頭に置く必要があります。
でなければ,関節の中心化がなされていない原因がはっきりせず,その状態でエクササイズを行なっても,身体全体の動きのパターン化を助長してしまうだけになってしまうのです。
これらを考察の一助にすることで,こちらのアプローチとしての戦略も引き出しが増えますし,まさに「何を使ってアプローチするか」を考えることができます。
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Daisuke Nobuchika
・Bodywork Salon Compasses代表
・Somatic Neutrality®考案者
・理学療法士
・Somatic Experiencing™ Practitioner(SEP)
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス Eye of the needle修了
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス 慢性疼痛と症候群 修了
・Yoga Teacher(Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了)
・Somatic Resilience and Regulation®修了
・側弯トレーナー
・DE GASQUET®INSTITUT基礎講座、ぺリネのABC受講修了
広島県福山市出身。小学校から社会人にかけてバスケットボールに積極的に取り組み、全国大会やAll Japanに出場。高校生の時に人の役に立つ仕事に就きたいという思いと部活動のトレーナーが理学療法士であることもあり、理学療法士を志す。2011年、理学療法士免許習得。総合病院、整形外科病院在籍中にピラティス、ヨガに出会う。2017年ファンクショナル ローラー ピラティス マスタートレーナーコース修了。2022年SEP取得。同年SRR修了。2023年Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了。現在、理学療法士とサロンでのセラピストとして活躍中。 また、臨床中に患者様と関わる中で「病気になる前の予防の重要性」を感じ、『病気に囚われない予防の実現』を人生のテーマに日々邁進している。
Bodywork Salon Compassesとは
こころとからだの指針を紡ぐBodywork Salon Compassesではヨーガとピラティスなど心身のアクセスを通じた心身コンディショニング・姿勢の改善、タッチセラピー(マッサージ、整体)による痛みのケア(関節痛、首痛、頸部痛、首コリ、肩凝り、背部痛、腰痛、股関節痛、膝痛、足痛や足部の変形:外反母趾など)、循環改善・むくみケア、姿勢と歩きの改善を行っています。ホームページではセッションの内容や料金について詳細がわかりますので、「ホームページはこちら」をクリックしてのぞいていみてください。
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