こんにちは，こんばんは，おはようございます。
理学療法士，ボディワーカーのDaisukeです。
リハビリテーションの臨床現場でも，ピラティスの知見は役に立つことが多く，実際にピラティスエクササイズができなくても，そのコンセプトはアセスメントの一助になります。
目次（Contents）
ピラティスの基本原則と考察
ピラティスの基本原則の中には「肩甲帯の組織化」があります。
肩甲帯の組織化は運動学で言えば，肩甲骨と上腕骨の連動である肩甲-上腕リズムが円滑に起こるために必要な要素になります。
この肩甲帯の組織化が不十分であれば，腕を挙げる時に肩甲骨は後退してしまい，上腕二頭筋の過剰な収縮によって上腕骨の動きを起こそうとします。
このような動きがいわゆる誤用ということになります。
本来，腕を挙げるという動きでは肩甲骨は前方突出，上方回旋し肩甲骨という土台の上で上腕骨の動きが起こります。このような肩甲骨の動きに加えて鎖骨の後方回旋が起こります。
この肩甲帯の組織化には前鋸筋という筋肉が欠かせないのですが，前鋸筋の付着している部分は肩甲骨と胸郭です。ということは前鋸筋が機能的に働くためには，胸郭のアライメントも重要になってくるということです。
では，胸郭がどのような状態であれば前鋸筋が機能的に働くポジションなのか。
これを紐解くのが比較解剖学を理解しておくことです。
人の胸郭の形状の特徴は樽状であるということです。
樽状の胸郭を構成するためには，重力に抗している状態であるということが重要になります。
要は抗重力伸展活動が可能な状態であれば肩甲骨の動きと鎖骨の動きは自ずと連動して起こるということになります。
また，肩甲骨の組織化が可能であれば，関節が分離して動かせることに加えて関節の中心化も可能になり，関節を構成する近位の骨が安定化します。
つまり，代償運動を軽減することができるということになります。
加えて，人の上肢帯の特徴として，手のアーチがあります。
肩甲骨が組織化するために必要な末梢の機能としては手のアーチが構成されているということになります。
このように肩甲-上腕リズムが円滑に起こるためには，中枢部の機能と末梢部の機能が双方に連動していることが必要になります。
機能を部分としてだけでなく，近位と遠位の視点と全体性の視点から見ていく必要がありますね。
胸郭運動に必要な構成要素
上記では肩甲帯の組織化と胸郭との関係性について述べてきましたが，ここでは胸郭自体の動きに必要な構成要素を書いていきます。
胸郭の動きに必要な要素は肋骨のクランク運動と胸椎の柔軟性です。
胸椎の動きに伴って肋骨のクランク運動が起こることで胸郭全体の動きが可能となり，樽状胸郭の構成に必要な肋間の確保と胸郭の拡充を行うことができます。
人の動きの特徴は回旋ですが，どの方向に回旋をしているかという視点を持つことで機能障害（誤用）の改善に役立ちます。
そして，動的平衡の視点で言えば，骨盤帯と肩甲帯の動きは重心の安定化のために連動して動きますので，これに伴い，胸郭の動きも生じます。
ですので，胸郭の動きの構成要素には上記に挙げたもの以外にも，骨盤帯の安定化も重要になってきます。
ということは，前鋸筋の機能は単体で捉えることに加えて，骨盤帯の安定化に関わる，腸腰筋や深層外旋六筋，骨盤底筋や横隔膜との関係性もアセスメントの中に入ってくるということです。
このように機能を身体の全体性として捉えていくことで，機能障害の連鎖のアセスメントに繋がってくるということになります。
ピラティスさんはすごいですね。
この知見を臨床に活かすことができていることに感謝です。
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Daisuke Nobuchika
・Bodywork Salon Compasses代表
・Somatic Neutrality®考案者
・理学療法士
・Somatic Experiencing™ Practitioner（SEP）
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス Eye of the needle修了
・Somatic Experiencing™︎ マスタークラス 慢性疼痛と症候群 修了
・Yoga Teacher（Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了）
・Somatic Resilience and Regulation®修了
・側弯トレーナー
・DE GASQUET®INSTITUT基礎講座、ぺリネのABC受講修了
広島県福山市出身。小学校から社会人にかけてバスケットボールに積極的に取り組み、全国大会やAll Japanに出場。高校生の時に人の役に立つ仕事に就きたいという思いと部活動のトレーナーが理学療法士であることもあり、理学療法士を志す。2011年、理学療法士免許習得。総合病院、整形外科病院在籍中にピラティス、ヨガに出会う。2017年ファンクショナル ローラー ピラティス マスタートレーナーコース修了。2022年SEP取得。同年SRR修了。2023年Kaivalyadhama Yoga Institute Certificate Course in Yoga修了。現在、理学療法士とサロンでのセラピストとして活躍中。 また、臨床中に患者様と関わる中で「病気になる前の予防の重要性」を感じ、『病気に囚われない予防の実現』を人生のテーマに日々邁進している。
Bodywork Salon Compassesとは
こころとからだの指針を紡ぐBodywork Salon Compassesではヨーガとピラティスなど心身のアクセスを通じた心身コンディショニング・姿勢の改善、タッチセラピー（マッサージ、整体）による痛みのケア（関節痛、首痛、頸部痛、首コリ、肩凝り、背部痛、腰痛、股関節痛、膝痛、足痛や足部の変形：外反母趾など）、循環改善・むくみケア、姿勢と歩きの改善を行っています。ホームページではセッションの内容や料金について詳細がわかりますので、「ホームページはこちら」をクリックしてのぞいていみてください。
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